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食べて寝る

食べて寝て病気で寝てます。ほかに本を読んだりイベントに行ったりしています。

マンク~破戒僧~を観ました(ネタばれあり)

「マンク 破戒僧」を観ました。

この映画のジャンルは

宗教・性 です。

 

ディスカスに登録し、ドキュメンタリーだろ~!と思って借りました。

そういう軽い気持ちで借りたのですが、なんと、この映画の原作は160年間教会から発禁処分をくらっていたいわくつきの本だったと後で知りました。・・・って160年間!?

 

160年間発禁処分、年月にして1世紀半!

そんな映画の内容は

スペインに立つ修道院に早朝、右肩に手の形をしたあざのある赤子が捨てられる。

その後その子はアンブロシオと名付けられ、気高い僧侶として育っていく。特に説法には多くの人々が集まり、アンブロシオの声に向こうに神の声を聞いたのだった。

ある日火事で家族を亡くし自身も大やけどを負ったという少年バレリオがやってくる。しかしバレリオは女性で、アンブロシオに近づくために男装していたのだ。

バレリオと肉体関係を結んでしまったアンブロシオ。そこからアンブロシオの心の歯止めは効かなくなっていく・・・。

 

前半はいかにアンブロシオが敬虔な修道僧なのか、規律を守り正しく生活しているのかが丁寧に描かれます。

その中で、いかに人間の

ある修道女が妊娠が発覚。その時の処遇はなんと「死」でした。

宗教が、性をいかに厳しく抑圧しているかわかるシーンです。厳しい規律ものぞかせながら、修道院での生活が描かれていきます。

その分、そのあとのアンブロシオの転落っぷりがすさまじい。

(ここからセクシャルな話になります。気分を害される方はとばしてお読みください)

 

動物などは繁殖を生きる目的の一つにしています。
繁殖が第一、セックスをするときに相手がどういう気持ちか、を考えません。


NHKなどの特集では、たびたび逃げるメスを無理やり組み敷いてセックスを強要する動物の姿を見ました。


それは動物にとってのセックスの目的が「繁殖」だから。
相手がどう思っているかなどまったく関係ない。
まず子孫を残すことが生きる目的のウエイトを多く占めるからです。

 

しかし、人間は愛を感じます。セックスする相手に。


セックスをする際に「相手が好きか」という感情的な部分のウエイトが大きい。
その感情こそが、人が人である理由であり、
要するに感情が、人が他の生物と一線を博す理由になったと僕は思います。

宗教は生物として根本的な「繁殖」の部分を抑圧します。

今まで本能的なその部分を抑圧されてきた。
そんな人間がラッキースケベをもらってしまった場合、どうなるか。

 

アンブロシオは堕ちていきます。それも、ものすごい速度で。
何度もバレリオとセックスを繰り返し、彼は迫るとき言います「欲しいか?」と。
欲しいが何を表しているかは、観ているとわかります。(あれだよ!あれ!)
この一言から、彼がもうセックスを「禁止されたもの」ではなく「愉しみ」ととらえている事が伝わってくる。

 

そしてバレリオだけでなく、他の女性も手にかけていく。
自分の欲望を満たすのになんのためらいも感じなくなっていく。引き返そうとさえしない!
満たす事しか考えない。今まで抑圧された自身を埋めていくように。
そんな彼がたどりついた行為が「強姦」であり「殺人」だった。
その先に彼がたどり着いたのは自身の「死」。

 

もう豪快な皮肉だとしか言いようがなかったです。
宗教という強大な力にくくりつけられた者が、それに疑問も抱かずに生きていたものが
たった1度でここまで堕ちるか、と。
教会に160年間発禁処分されたこともうなずける内容でした、全面否定だもんね。
しかしこの作者、よく当時に生きていられたな~。
お命頂戴!されてもおかしくなかったと思う、160年前は。
現在原作も完全版で発売されています。
全然アンブロシオの鬼畜っぷりが違う(いやな意味で)らしいので一度読んでみたいです。